コラム

コラム

2025.02.25

4.その他

冷え性を改善しましょう

監修・執筆

監修:医師 加藤 美貴(アムスランドマーククリニック勤務医)
執筆:保健師 渋谷 聖子(アムスランドマーククリニック健康増進科)

食事習慣を改善しましょう

3食バランスの良い食事を摂りましょう

前回のコラムでは、冷え性対策の生活習慣についてお伝えしました。今回は、冷え性改善のための食事と運動習慣についてお伝えします。

体内でエネルギーの原料となり、熱を生み出すのは、糖質、脂質、タンパク質です。ダイエットをしている方は、この3つの栄養素を極端に控えていると、冷え性は悪化する可能性があります。

特に、朝食は睡眠中に低下した体温を上げる働きがあり、冷えない身体づくりにおいて大切です。毎朝、身体を温める食べ物を摂り入れて、体温を上げましょう。

身体を温める食材を積極的に摂りましょう

食材には、身体を温める効果のある食べ物と、身体を冷やす効果のある食べ物があります。

身体を温める効果のある食べ物を積極的に摂り入れましょう。

・身体を温める食べ物
寒い地域や冬が旬の食べ物は、身体を温める作用のものがあります。

食品群 具体的な例
飲み物 紅茶、ほうじ茶、烏龍茶、ココア、生姜湯、白湯
野菜 生姜、ねぎ、にら、にんにく、小松菜、根菜類、芋類、ほうれん草、ピーマン、みょうが、紫蘇
果物 りんご、みかん、ぶどう、さくらんぼ、桃、ドライフルーツ
穀物・豆類 もち米、玄米、小豆、黒豆、銀杏、くるみ、栗
鶏肉、牛肉、羊肉、豚レバー
魚介類 アジ、イワシ、サンマ、カツオ、サケ、エビ、イカ、ウナギ、アナゴ、明太子
発酵食品 味噌、納豆、チーズ、キムチ、ヨーグルト
調味料 味噌、醤油、塩
香辛料 胡椒、唐辛子、わさび、山椒、シナモン


・身体を冷やす食べ物
暑い地域や夏が旬の食べ物は、身体を冷やす作用のものがあります。

食品群 具体的な例
飲み物 コーヒー、緑茶、牛乳、豆乳、アルコール、ジュース、水
野菜 きゅうり、トマト、白菜、おくら、ゴーヤ、なす、チンゲン菜、ほうれん草、セロリ、冬瓜
果物 いちご、メロン、バナナ、スイカ、柿、梨、キウイ、パイナップル、マンゴ
穀物・豆類 大麦、小麦、そば、枝豆、緑豆、豆腐、こんにゃく
馬肉、鴨肉、動物性脂肪
魚介類 カニ、タコ、牡蠣、アサリ、シジミ、ハマグリ、ひじき、わかめ、海苔
調味料 酢、白砂糖、ごま油、菜種油
精製された食品 白砂糖、白米、小麦製品

参考として、身体を温める簡単なスープレシピを紹介します


~チキン風味のとろとろ生姜スープ~

【材料(2人分)】

  • 木綿豆腐: 1/2丁
  • 溶き卵: 1個分
  • 生姜のすりおろし: 小さじ1/2
  • 長ねぎ: 適量
  • : 350ml
  • 鶏ガラスープの素(顆粒): 小さじ1
  • 醤油: 小さじ1
  • 塩、胡椒: 少々
  • 水溶き片栗粉: 小さじ1+水小さじ2

※お好みで、きのこや野菜類を加えると栄養価アップ&美味しさが増します。

【手順】

  1. 豆腐を1~2㎝の食べやすい大きさに切り、長ねぎは小口切りにする。
  2. 鍋に、生姜のすりおろし(小さじ1/2)、水350ml、鶏ガラスープの素(小さじ1)、醤油(小さじ1)を入れ煮立たせる。豆腐を加え、塩で調味する。
  3. 再び煮立たせ、水溶き片栗粉でとろみをつけた後、溶き卵を全体に回しかける。
  4. 最後に長ねぎを加え混ぜ、器に注いで完成。お好みで胡椒をふる。

※溶き卵はスープが煮立ってから加えると、ふんわり仕上がります。

運動習慣を改善しましょう

適度な運動を習慣化させましょう

日頃から、ウォーキングや階段の昇降、ストレッチ、マッサージ、そして車を使わずに歩くなど、日常生活の中で無理なく取り入れられる運動を意識するだけで効果が期待できます。さらに、腹式呼吸を習慣化することで、副交感神経が優位になり血流が促進され、自律神経が整いやすくなります。

軽い筋トレを行いましょう

筋肉が集中する下半身を重点的に鍛えることで、冷え性の改善につながります。特に、ふくらはぎのトレーニングを積極的に取り入れることをおすすめします。デスクワークの合間や自宅でテレビを見ながら、ウォーキング前のストレッチの一環として取り入れましょう。

① 座った姿勢でかかとの上げ下げ

  • 椅子に座り、肩幅くらいに足を広げる。
  • つま先は地面につけたまま、かかとをゆっくり上下に動かす。(20回程度)

② 立った姿勢でかかとの上げ下げ

  • 椅子に掴まりながら、肩幅くらいに足を広げる。
  • つま先を固定し、かかとをゆっくり上下に動かす。(20回程度)

【ポイント】

  • 息を止めずにリラックスして行いましょう
  • 動作はゆっくりと、無理のないペースで
  • 毎日続けられる回数で実施しましょう
  • デスクワーク中や隙間時間に取り入れるのも◎

手首、足首を回すだけでも十分効果があります

① 足首回し

  • 床または椅子に座り、片方の足をもう片方の膝に乗せる。
  • 片手で足首、もう片方の手で足の甲を持ち、ゆっくり曲げ伸ばし・回す。

② 手首回し

  • 両手を握り合わせ、手首をひねりながら回す。
  • 右回しと左回しの両方向に行い、血流を促進します。

まとめ

冷え性は、男女ともに起こる症状ですが、特に筋肉量が少なかったり、月経(貧血)や女性ホルモンの影響を受けやすい女性は、冷え性になりやすい傾向があります。食事や運動、十分な睡眠など、生活習慣を見直すことで改善が期待できます。