コラム

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2024.08.27

1.食事

コツを知れば簡単!野菜を手軽に摂る方法

Contents目次

監修・執筆

監修:医師 金藤 昌子(アムスニューオータニクリニック勤務医)
執筆:管理栄養士 石川 奈穂子(アムスニューオータニクリニック健康増進科)

はじめに

野菜を十分な量食べることはできていますか?

『野菜は身体の調子を整える』ということはよく皆さんも耳にするのではないでしょうか。

今回のコラムでは、野菜の十分な摂取量とはどれくらいなのかを改めて知っていただくと共に、野菜を食べる量を増やすための具体的なコツをご紹介します。

1日に必要な野菜摂取量

「健康日本21(第三次)」において、1日に必要な野菜摂取量は350g以上とされています。小鉢1皿が野菜約70gのため、350gは小鉢の場合5皿分になります。野菜炒めや煮物といった大皿料理では、小鉢2皿分と考えることができます。

野菜約70gの料理例

野菜約140gの料理例

また、1日に350g食べるということは、1日3食に分けると1食120gの摂取量となります。120gの目安は、生野菜だと両手にいっぱいくらい、加熱した野菜なら片手にのるくらいです。もちろん、人によって手の大きさは異なりますので、一度ご自分で120g分の野菜を測って手にのせてみると良いでしょう。

野菜の摂取量は不足しがち

日本人の野菜類摂取量

1日350g以上が目標量であることをお伝えしましたが、日本人の野菜類摂取量の平均値は目標量に達していません。「国民健康・栄養調査(令和元年)」によると、成人男性で約290g、成人女性で約270gとなっており、どの年代においても目標量まで足りていません。

野菜類摂取量の平均値

男性の平均値:約290g

女性の平均値:約270g

出典:厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要

なぜ野菜を食べる方がいいのか

野菜には、ビタミンやミネラル、食物繊維といった身体の調子を整えるための栄養素が多く含まれています。これらの栄養素が不足してしまうと、疲れやすくなる・免疫機能が低下する・腸内環境が悪化する・生活習慣病のリスクがあがるなど、不調に繋がってしまいます。

(野菜を食べることで摂ることができる栄養素については、過去のコラムでも解説しています。)

・過去のコラム:食物繊維を摂って生活習慣病予防
・過去のコラム:高血圧対策として積極的に摂りたい栄養素~カリウム~

野菜は低脂質・低エネルギーな食材のため、十分に食べることにより摂取エネルギーを抑えることができます。また、よく噛まないと食べられない野菜も多いため食べ過ぎ防止ができるなど、肥満防止にも繋がります。

他にも、野菜は食事の「彩り」としても、欠かせない存在です。カラフルな食事は、栄養バランスが整うだけではなく、季節感や楽しさも演出してくれます。

以上のように、野菜を食べることは様々な面でメリットがあるため積極的に摂りたい食材なのです。

野菜の摂取量が足りない理由

野菜を積極的に食べることがとても大事だということがわかっていただけたかと思います。しかし、実際野菜を食べようとしてもいくつかハードルを感じてしまう点があるのではないでしょうか。

・仕事で疲れているから手間や時間のかかることはできない…
・野菜がすぐに傷んでしまって、捨ててしまったことがある…
・料理が得意ではないから、包丁や火を使った調理は難しい…

以上のことに心当たりがある方は、是非この後ご紹介するコツをご覧いただき、できそうなものから試してみましょう!

調理を簡単に

中々ハードルを高く感じてしまう野菜の調理

野菜の摂取量が少なくなってしまう要因の一つは、調理に手間がかかってしまう、難しさを感じてしまう方が多いことが考えられます。

特に、仕事や家事、子育て等で疲れている時には、手間のかかる調理は避けたいと感じることが多いでしょう。そういった時には野菜の調理を簡単にしてくれる調理器を活用して、時短かつ簡単に作りましょう。

「電子レンジ」と「調理ばさみ」を活用してみよう

野菜を料理すると聞くと「お湯で茹でないといけない」「炒めないといけない」「包丁で切らないといけない」などとイメージされる方は多いのではないでしょうか。しかし、「調理ばさみ」と「電子レンジ」を活用すると、包丁も火も使わず簡単に野菜料理を作ることが出来ます。

電子レンジを使うメリット
電子レンジは使いやすく、操作もシンプルです。特に忙しい日常生活では、手軽に使える調理器具が重宝されます。火を使った料理とは違って、適正な加熱時間を覚えておけば、焦げてしまう心配をする必要もなく、安心して加熱中に別の作業をすることができます。更に嬉しい点は、鍋やフライパンの洗い物をする必要がないため、調理後の片付けも簡単です。

調理ばさみを使うメリット
普段あまり料理をしない方は包丁を使うことに苦手意識があるのではないでしょうか。しかし、調理ばさみであれば普段使うはさみと同じ要領で食材を細かく切ることが出来ます。分解できる調理ばさみを選べば、洗い物も更に楽にすることができます。

レシピ

~ほうれん草のお浸し(2~3人前)~

【用意するもの】
・電子レンジ
・調理ばさみ
・ラップ
・電子レンジ対応の皿
・ボウル

【材料】
・ほうれん草 1束(約200g)  
・しょうゆ 小さじ2
・かつお節 適量
※味付けはお好みで調整してください。

【作り方】
1.ほうれん草の根本を調理ばさみで十字に切り込みを入れ、水で洗います。
2.ほうれん草をラップで包みます。ほうれん草を皿に乗せ、レンジ600wで3分程度加熱します。
3.電子レンジから取り出し、水を張ったボウルに入れ、ひたしながら冷まします。冷ましたほうれん草は絞って水を切ります。
4. 5cm幅に調理ばさみで切り、しょうゆ・かつお節で味付けします。

ほうれん草を水で浸すことは忘れずに!
ほうれん草には「シュウ酸」という成分が含まれます。「シュウ酸」は過剰に摂取すると、健康に悪影響を及ぼします。

加熱後に水に浸すことでシュウ酸を取り除くことができますので、この工程は忘れないように気を付けましょう!

他にも、電子レンジを用いれば蒸し料理や煮込み料理にする、味付けを変える等工夫することで様々な料理・味を楽しむことができます。料理が慣れないうちは、市販のドレッシングや合わせ調味料を活用するところからスタートしてみると、より簡単に美味しい野菜料理を作ることができます。

注意点

・必要な加熱時間は電子レンジによって差があります。はじめは一気に過熱するのではなく、数回に分けて様子を見ながら加熱しましょう。
・電子レンジで使用する容器は必ず電子レンジ対応のものを使いましょう。
・調理に用いるのは、調理専用のハサミです。事務用はさみとは異なりますので、専用のハサミを用意しましょう。

洗うだけで美味しく食べられるお野菜

調理不要!すぐに食べられるお野菜

もっと簡単にすぐに食べたいという方は「洗うだけで食べられる」お野菜をストックしておくのも方法の一つです。生でも食べやすい野菜の例は以下の通りです。

食材によっては、洗った後に折ったり、破いたりすれば食べやすい大きさにすることができます。先ほどご紹介した調理ばさみを使うのもいいですね。好きなお野菜からストックしてみましょう!

次回も引き続き「簡単に野菜が食べられる」コツをご紹介します。