毎日の食事にもっと野菜を! 手軽に取り入れるアイデア集
監修・執筆
監修:医師 金藤 昌子(アムスニューオータニクリニック勤務医)
執筆:管理栄養士 石川 奈穂子(アムスニューオータニクリニック健康増進科)
工夫すれば野菜も長期でストック可能
以前に「野菜が気づいたら傷んでいた…」「野菜を腐らせてしまった…」という経験がある方もいるのではないでしょうか。
それが理由で、野菜の調理が億劫になってしまってはいませんか?
野菜は工夫次第で比較的長期的な保存が可能になります。その方法の一つ「冷凍」を活用してみましょう。
冷凍野菜を活用しよう
冷凍野菜は種類にもよりますが約1か月ストックすることができ、ストックしておけば、いつもの食事に簡単に野菜をプラスすることができます。
冷凍野菜はスーパーやドラッグストアで購入するか、自分で作ることもできます。
冷凍野菜は保存期間が長くなるだけでなく、味が染み込みやすくなるという利点もあります。また、メリットでもありデメリットでもある点として、野菜の種類によっては解凍後に食感や味が変わります。例えば冷凍したレタスは、解凍するとシャキシャキ感がなくなり、しんなりとした食感に変わります。
そのため、冷凍野菜は加熱調理した料理に加えて食べると、美味しく仕上がります。
食感の好みは人それぞれですので、実際に食べて自分の好みに合う方法で活用するといいでしょう。
手作り冷凍野菜を作ろう!
玉ねぎや小松菜、ブロッコリー等様々な野菜が冷凍保存できますが、冷凍野菜は自宅でも簡単に作ることができます。
基本の手順は、①野菜の汚れを落とす②使う時に丁度いい大きさにカットする③密封できる袋に入れる④冷凍庫に入れる、です。
また、加熱することでかさを減らし、冷凍庫のスペースを節約することができます。
冷凍野菜を作る時のポイントは3つあります。
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①野菜についている水分をしっかりふき取ること
②密閉袋に入れる時は平たくすること
③加熱した場合は、粗熱をとってから冷凍庫に入れること
このポイントを守らないと、冷凍に時間がかかったり、解凍時に野菜が傷んでしまい、味が落ちることがあります。注意しましょう。
ちなみに、前回のコラムでご紹介した「ほうれん草のお浸しレシピ」で作った加熱後のほうれん草も冷凍しておくと、すぐに料理に加えることができて便利です。
レシピ
では、実際に冷凍野菜を使った簡単レシピをご紹介します。
- ~コンソメスープ(2人前)~
【用意するもの】
(材料)
・溶き卵 1個分
・冷凍玉ねぎ(薄切り)100g(おおよそ1/2個分)
・小ねぎ(小口切り) 適量
・水 400ml
・コンソメ顆粒 小さじ2
・塩こしょう 少々
※味付けはお好みで調整してください。
【手順】
1.鍋に冷凍玉ねぎ(薄切り)、水、コンソメ顆粒、塩こしょうを入れ、中火で煮立たせる。
2.玉ねぎがしんなりするまで弱火で煮る。
3.中火で再度煮立たせ、溶き卵をゆっくりまわし入れる。卵が固まったら火を止める。
4.お皿に盛り、小ねぎ(小口切り)を乗せたら完成!
今回は玉ねぎを用いたレシピをご紹介しましたが、キャベツやレタス、もやし等の野菜に置き換えても美味しく作ることができます。冷凍保存した野菜を使って作ってみましょう。
野菜は値段が高くて中々食べられない…という方へ
旬の野菜を食べましょう
野菜を買わない理由の一つに、値段が高いと感じる方も多いのではないでしょうか。そういった方は、旬の野菜を選んでみることをオススメします。旬の野菜は収穫量が増え、価格が安くなります。さらに、栄養価も高くなるメリットがあります。
旬の野菜例
野菜の中には1年を通して比較的安く購入できるものがあります。例えば、もやしや豆苗等です。これらの野菜は安いと言っても、食物繊維やビタミン・ミネラルを摂ることができるとても優秀な食材です。
「今日は安くなっている野菜が無いな…」という日も、例えば豆苗を使ってナムルや和え物、スープ、サラダなどを作ることで費用を抑えて野菜を食べられます。
外食の時にも野菜が入っている料理を選ぼう
野菜の食べる量が少なくなりがちな外食ですが、逆に野菜を食べるチャンスでもあります。メニューを選ぶときに、野菜が入っている料理を選んだり、サラダを追加して注文するといいでしょう。
旬の野菜を使ったメニューを選べば、栄養素の量が多くなっている野菜の美味しい味を楽しめるのみならず、季節感も感じることができます。
お手軽に野菜をプラスできる商品をご紹介
スーパーやドラッグストアを見ると調理の手間を省き、簡単に野菜を摂ることができる商品が並んでいます。商品の一部をご紹介します。
- カット野菜
カット済の生野菜が袋に入れられています。炒め物やお鍋など様々な料理に加えることができます。 - 缶詰野菜
トマト缶等食材が入っているものから、きんぴら等の調理済みの料理が入っているものもあります。 - 乾燥野菜
白菜やキャベツ、人参等を食べやすい大きさにカットし乾燥させた商品です。お湯で戻してから料理に加えたり、味噌汁等の温かい汁物にそのまま加えて食べることができる商品があります。野菜チップスはおやつとして食べられます。 - レトルトパックされた野菜
タケノコ煮等食材が入っているものから、野菜スープ等の調理済みの料理が入っているものもあります。
以上のような商品は生野菜と比べ保存期間が長いためストックしておくことも可能です。上手く活用することで、簡単に1品野菜料理を追加できます。
野菜は生で食べた方が良い?加熱した方が良い?
ちなみに、『野菜は生で食べるのがいいのか、加熱するのがいいのか』と迷う方もいるでしょう。
生野菜は、熱に弱いビタミンを効率よく摂取できますし、パリッとした食感がよく噛むことを促し、食べ過ぎ防止にもなります。加熱した野菜は、かさが減りたくさん食べられるだけでなく、消化吸収がスムーズになるというメリットもあります。さらに、栄養素の吸収も早くなります。
しかし逆にデメリットもあります。生野菜は、一度に食べられる量が比較的少なくなると共に、栄養素の吸収に時間がかかります。加熱した野菜は、熱に弱いビタミン類が壊れてしまいますし、茹でる調理をした場合は、水に溶ける性質をもった栄養素が流れ出ていってしまいます。
以上のように、どちらにもメリット・デメリットがありますので、偏らず食べるようにするとより良いでしょう。
さいごに
「分かっているけどできない」から次のステップへ
昨今では健康に関する情報が行き交うようになり、「お野菜を食べた方が良い」「魚を食べた方が良い」等聞いたことがある人は増えました。
しかし、実際生活に取り入れようとすると意外と難しかったりします。そういう時は、今回ご紹介したような少し調理方法を工夫してみたり、便利な商品を活用すれば、食事に野菜を取り入れるハードルが下がるかもしれません。
合う方法は人それぞれ
色々な野菜の食べ方をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
知っている方法もあれば、「こんな方法があったのか」「こんな簡単でよかったのか」と思うものはありましたか?一人ひとり環境も状況も違うからこそ、合う方法は異なります。ぜひ色々試してご自分の生活スタイルに合う食べ方を見つけてください。