今年のゴールデンウィークはどう過ごす?
監修・執筆
監修:医師 金藤 昌子(アムスニューオータニクリニック勤務医)
執筆:保健師 山内 真由美(アムスニューオータニクリニック健康増進科)
長期休暇をうまく乗り切る計画を立てましょう
もうすぐゴールデンウィークですね。おいしいものを食べたり、普段見ることができないドラマやゲームに没頭したりと、ワクワクする計画はもう立てていますか?
今年こそはと、旅行や帰省、行楽を計画している方も多いのではないでしょうか。過去に長期休暇明けの体重にがっかりしたという方や、休み明けは体調が悪いという経験がある方は繰り返さないようにしたいですね。
さあカレンダーやスケジュール帳を広げ、この休み中に何を食べたり飲んだりしたいか、何をして過ごしたいか想像してみてください。長期休暇をうまく楽しみ、思わぬ体重増加や体調不良を回避する計画をシミュレーションしておきましょう。
計画に入れておきたいこと
1.体重測定
まずゴールデンウィーク前に体重計に乗り、終わったあとも体重計に乗ります。プラス1kg程度なら、少し意識すれば2~3日くらいで大体の方は元に戻せるものです。
体重測定のタイミングは、1日1回であれば、長期的な体重変動を把握できる起床時の測定がお勧めです。
朝食やトイレの前に測定すると食事や排便など大きな体重の変化に影響されないため、日々の変化を正確に把握するのに役立ちます。
さらに、朝測定して、前日朝より体重が増えているか減っているかで、その日一日の過ごし方、食事の摂り方を考えることができます。
2.からだを動かす
通勤や職場内での移動・仕事がないため自宅内だけの活動だと運動不足になりがちです。動いていないからエネルギーは余っているのに、3食きちんと食べて、口さみしさにおやつもついつい…ありがちなパターンですね。
日ごろから運動不足だという方も、体を動かすチャンスです。ごはんも美味しくいただけ、睡眠の質もよくなり、ストレス軽減効果もあります。5月病予防のため、歩いたり軽く体を動かしてリフレッシュされてはいかがでしょうか。
座りっぱなしは健康に良くないのはよく知られていますが、1時間座り続けるごとに、1日22分ずつ平均余命が短くなるという結果も報告されています。座りっぱなしは避け、少なくとも1時間に1回は体を動かすようにしましょう。
「体をあまり動かすことができなかったな」という日は、食事も通常の8割程度に控えるとよいでしょう。
3.生活リズムを乱さない
長く休んだはずなのに、休み明けは体調が悪いという方は、体内時計がずれてしまったのかも。
私たちは日中活動し、夜は次の日の活動に備えるというリズムでベストコンディションになるよう、体内時計で睡眠や血圧、体温、心拍数、免疫機能、ホルモン分泌、代謝などを調整しています。うまく働かないままだと、さまざまな不調が出るだけでなく、生活習慣病になりやすくなります。
体内時計を乱さないためには、睡眠や食事時間など生活リズムを一定にすることが大切です。起床時間をいつもと同じにするだけでも生活リズムの崩れを予防できます。
私たちは朝日を浴びてから約15時間以上経つと自然と眠くなるようにセットされているので、長期休暇明けのことも考慮し、夜更かしもほどほどに、休暇中も極力規則正しい生活習慣を意識して過ごすようにしましょう。
4.例外を増やさない
ゴールデンウィーク、お盆休み、シルバーウィーク、宴会、会合、年末年始…。「特別だから例外」と考えると、食べ過ぎてしまいます。
イベントはキリがなく訪れるので、そのたびに食べ過ぎてしまうと、「食べ過ぎたのだから、もう体重を気にするのはやめた。好きなだけ食べられないのはストレスだ。」と考えてしまいたくなるものです。
見方を変えて、「自分の計画通りにイベントを楽しみ、健康的な良い食べかたができた」と考えるようにしましょう。
旅行や帰省で太らない1日を送るために
思いがけず太るタイミングとして、旅行や帰省があげられます。帰宅するまでどのように過ごせば、後で体重をもとに戻すのに苦労しなくてよいかを考えてみましょう。
一例として、ポイントを挙げておりますので、意識してみてください。
移動中
・おやつを食べたり飲んだりより、おしゃべりを楽しみ、おいしい食事に備えておなかを空かせておく
・おみやげもお菓子類より、センスの良い雑貨や地元の新鮮な食材を探すようにする
昼食と昼間の過ごし方
・代謝の良い時間帯なので、昼食は食べたいものを食べて満足する
・観光では、歩いたりサイクリングをしたりなど体を動かすアトラクションを組み込んでおく。
・帰省時は、上げ膳据え膳でなく、親が普段できない掃除や片付け、買い出しを積極的に申し出て、親孝行も兼ね一挙両得に
夕食前後
・温泉や風呂場に体重計があれば、見て見ぬふりせず積極的にチェック
・豪勢な夕食は、もったいないからと全部食べず、量より質重視で
ゆっくり味わい、普段の倍以上は食べない
・21時以降は余分なものは食べずに、次の日の活動に備えて夜更かしせず、しっかり睡眠確保する
朝食
・朝食がバイキング形式なら、多種類あるパンなどをとりすぎないようにしてトレーの上に穀類・たんぱく源・野菜類が揃っているかチェック
まとめ
ゴールデンウィークは、普段の生活リズムから大きく変わるため、体調不良や体重増加のリスクがあります。計画的に過ごすことで、健康的で充実した休暇を過ごすことができます。計画を立てて、充実した休暇を過ごしましょう。
次回は増えた体重をリセットする方法を紹介します。